2017年発売のスタッドレスタイヤです。
前モデルX-ICE3のマイナーチェンジという位置付けですが、性能は大幅にレベルアップしています。
大きく変わったのはゴムの素材です。
氷面再生ゴム「Mチップ」というものを採用したことにより、氷面にある水膜を除去し密着するようになっています。
これにより前モデルのX-ICE3よりもアイスブレーキは4.5%短く止まることができるようになりました。
また50%摩耗した状態でもしっかりとスタッドレスタイヤとしての性能を持続させることができるという点が特徴的です。
摩耗時のブレーキでは11.5%短くなり大きく性能が向上しています。
今回比較するタイヤの中では唯一、回転方向が決まっているタイヤです。
回転方向指定のタイヤは排水、排雪が効率的に行えるというメリットがあります。
しかし、一方ローテーションしづらいというデメリットもあります。
フランス発祥のミシュランはヨーロッパ車の剛性感のある足回りによくマッチするタイヤであると言えます。
速度記号もほとんどのメーカーのタイヤが「Q(160km/h)」であるのに対して「H(210km/h)」「T(190km/h)」となっています。
高速走行時の安定性に期待がもてるタイヤであると言えます。
なお、スタッドレスタイヤの研究・開発・テストは日本の気候や路面環境に合わせるため国内で行っています。
国内で最初にスタッドレスタイヤを発売したミシュランの長い歴史と技術は安心感に繋がります。
値段と感想
ここ数年東北地方でも評判が上がっているミシュランですが値段はそれなりに高いです。後、サイズも限られているのもマイナスポイントですね。
GOODYEAR グッドイヤー
ICE NAVI 7 アイスナビ セブン
アメリカのグッドイヤーが2017年に発売したアイスナビシリーズの新しいスタッドレスタイヤです。
ブリザックやアイスガードとは違い密着系のゴムを採用しています。
雪面や氷面へのゴムの密着効果と新しいトレッドパターンのひっかき効果で前モデルのアイスナビ6に比べて氷上でのブレーキ性能が7%アップしています。
特にアイスナビシリーズは特に雪上での性能が高いイメージがあります。
今回の新しいトレッドパターンにより確実に雪をつかむことが出来るようになり、雪上でのブレーキ・発進性能が向上、これまで以上により安定した雪上走行を実現しています。
また、転がり抵抗が前モデルより4%低減し、燃費も良くお財布に優しくなりました。
ただし他社のように低燃費タイヤとの性能比較には言及されていませんので、どれほどの性能なのかは比較ができません。
他のメーカーのスタッドレスタイヤとの違いとして非常に特徴的なのが左右対称パターンを採用としているという点です。
ここ近年のスタッドレスタイヤは左右非対称のパターンを採用するのがある種のトレンドとなっていました。
このアイスナビ7のように左右対称のタイヤの利点は偏摩耗時にローテーションしやすいところにあります。
片減りしてしまってもIN・OUTを変えられるので小まめなメンテナンスにより長くタイヤを使うことができます。
ロングライフ&左右対称パターンの採用で他メーカーのタイヤと比べても長く使い続けることができるというのは大きなメリットだと言えます。
値段と感想
値段はネット販売なら相当安いですね。南関東〜九州方面ならこれでいいかと思います。
北国で戦えるかは不明ですけど。
TOYO TIRES トーヨータイヤ
Winter TRANPATH TX ウィンタートランパス ティーエックス
スタッドレスタイヤとして唯一ミニバンなどの「ハイト系専用」として発売されている商品です。
サマータイヤではミニバンにはミニバン専用タイヤを装着することが当たり前のようになっていますが、スタッドレスタイヤではこの商品しかありません。
ノアやVOXY、アルファード、ステップワゴンなどのミニバンはもちろんのこと、ハリアーやエクストレイルような背が高めの都市型SUVなどにもおすすめです。
背が高いハイト系の車はセダンやコンパクトカーとくらべてふらつきやすくカーブ時に外側にふくらみやすい傾向にあります。
このスタッドレスタイヤはハイト系特有のふらつきを抑え、アイス性能と操縦安定性を高次元で両立したタイヤです。
ゴム素材は定評のある同社のオブザーブ・ガリットギズと同じものを使い「吸水」「密着」「ひっかき」という三つの角度からアプローチしています。
吸水
ブリヂストンのブリザックVRXやヨコハマタイヤのアイスガード5プラスのようにタイヤ内に細かな穴を作り、氷上の水を吸水します。
これによりアイスバーンなどでも滑らずに走行できるようになります。
密着
ダンロップのウィンターマックスやグッドイヤーのアイスナビ6のように氷上に密着するゲルがタイヤに含まれています。
氷点下でもゴムが柔らかい状態を保ち、しっかりとグリップすることで氷上性能を高めています。
ひっかき
鬼クルミの殻をタイヤのゴムに混入し、直接氷をひっかきます。 この鬼クルミの殻を使うのはトーヨータイヤのお家芸とも言えます。
これらによってウィンタートランパス ティーエックスは前モデルのWinter TRANPTH MK4α(ウィンタートランパス エムケーフォーアルファ)よりも氷上での制動は12%短縮しています。
値段と感想
値段はグッドイヤー程では無いけれど安めです。
しかし、東北地方ではあまり良い評判を聞かないのが事実です。
DUNLOP ダンロップ
WINTERS MAXX02 ウィンターマックスゼロツー
2016年発売のダンロップのスタッドレスタイヤです。
2017年にはCUV対応のサイズが新たに発売されています。
ウィンターマックスゼロツーは「超密着ナノフィットゴム」というゴム素材を採用しています。
ゴム全体は剛性を残したまま、マクロレベルで見ると接地面のみ柔らかくするという方法で、氷に密着させてグリップ力を高めています。
また「MAXXグリップパターン」という新しいトレッドパターン(接地面)設計を採用し接地面積を増加させています。
特徴的なのはロングライフと打ち出している摩耗性能の高さです。
二つ前のモデルであるDSX-2と比べ約1.5倍長く使うことができるとされています。
メーカーカタログ上にはそれぞれ13,000km走行時のタイヤの写真が乗っていますが、その差は大きいですね。
また、新採用の軟化剤「しなやか成分」で4年後まで氷上ブレーキ性能が落ちずに利くとうたっています。
燃費性能としては同社のEC203(AA)とEC201(ラベル無し)の中間としての位置付けです。
低燃費性能としては「A」~「C」くらいであると予想されます。
値段と感想
値段はそれなりに安いです。実際、ダンロップのWINTER MAXX01を履いていましたが、日常域では何ら問題は無いんですがミラーバーンやブラックアイスバーンだと不安がありましたね。